「お前のレモンサワーがうまいんだよ」 

黒い革ジャン・黒いサングラスのおじさんがよく来店下さっていました。20代前半のころ、私が定食屋さんで店長見習いとして働いていた時の話です。

口数は少なめ。「レモンサワー、濃いめ」がいつものご注文でした。印象的なお客さまなので、すぐにお顔を覚えました。ご来店の度にレモンサワーをご注文下さいます。私の方から「濃いめですね」と言うことはなく、お客さまが「濃いめ」と言ってくれるのを聞いてからお作りをしていました。「お作り」とは言ったものの、そんなに上品なものではありません。定食屋さんですから。

そして、ある時言われたのです。「お前のレモンサワーがうまいんだよ」と。私がお休みの日にも来店下さったようで、どうも味が違ったらしいのです。本当に味が違ったかどうかわかりません。何しろ、私だって毎回違っていたかもしれませんから。でも、私とのやり取りを楽しみにしてくれていたことが伝わり、その日の帰りは心温まっていました。

そうしたある日、私は異動が決まりました。黒い革ジャンのお客さまにも報告をすると。

「次のお店教えて。行くから」

その数日後、黒い革ジャンのお客さまは、初めて奥さまを連れてご来店下さいました。私にも紹介をしてくれて。

そこまで想ってくれるなんて…。結果的に、そのお客さまとはこの日以来お会いできていませんが、思い出すたびに心が温まります(今も元気にしていらっしゃるかなぁ)。

私たち商人は、お客さまから売上だけでなく「心温まる体験」も頂いていると思うのです。私はそういうことを大切にしていきたい。同じように大切にしている商人さんを全力で応援していきます!


眞喜屋実行 まきやさねゆき

株式会社はぴっく 代表 / アナログ販促クリエイター

人が3秒で動く仕掛けづくりの専門家。「すぐに使えて/何度も成果が出せる」仕掛けテクニックを、店舗ビジネスで使いやすい形にして伝えている(「こんなの初めて見た!」と言われると、心の奥で大喜びします)

横浜国立大学経営学部卒業後、食品スーパーを経て飲食業中心のコンサルティング会社に転職。定食屋・居酒屋・リサイクルブティックなどの店長を歴任し、3年連続で優秀社員賞を受賞する(とカッコいいことを言いながら、降格も経験しています)

2008年に起業し、販売促進の企画会社を経営。飲食店/美容室/整体院/学習塾など、店舗ビジネスの販促企画や販促物の制作を行いながら「人が動く仕掛け」を磨く。「いいお店なら繁盛しなきゃ嫌だ!」という想いが年々強くなり、磨いた仕掛けテクニックをたくさんの商人さんに使ってもらえるよう活動中。「お客さまをもっと喜ばせたいお店と一緒に、喜びいたい」と願っている。

パンと銭湯が好き(あと、初孫ができたので、新人おじいちゃんとして張り切っています)。

◆執筆実績:ビジネス書7冊/日経MJ/近代食堂/販促会議/日本政策金融公庫など多数

◆講演実績:商工会議所・商工会・法人会・企業研修など250回以上

◆代表的な著書:お金をかけずに売上を上げる販促ネタ77/販促の教科書/リピーターをつくる35のスイッチ/お客さまが動く!しかける販促術


(コッソリ)私は小さい頃からず~っと丸坊主でした。

(コッソリ2)名前を追いかける人生。私の本名は「眞喜屋実行(まきやさねゆき)」です。この5文字を分解すると「真の喜び屋さんを実行する」となります(私はそう捉えています)。「真の喜びって何だろう?」「それを日本中に広げていくにはどうしたらいいんだろう?」といつも考えています日本中にたくさんある素晴らしいお店/会社さまがもっともっと繁盛して、お客さまと喜びあえるきっかけをつくれたら、本当に幸せです。

まだまだ小さな会社で、名前に追いつくのは遠い道のりですが、これからも精進をしてまいります。

 

3秒販促製作所/株式会社はぴっく代表

まきやさねゆき(眞喜屋実行)