満足実感 が大きくなる 小さなキャッチコピー(パン屋さんの例)
キャッチコピーの役割って「販売促進」だけじゃありません。長く商売を続けていくなら「その場の売上」だけでなく「買ってくれたお客さまに、ズバ抜けて満足して頂くこと」がものすごく大切。そこに役立つキャッチコピーもあるんです。
こんにちは!しかけプランナーのまきやです。高円寺駅から歩いて数分に所にあるしげくに屋さんというパン屋さんで見かけたキャッチコピーを分析させてください。このパン屋さん。大好きなんです。お仕事で高円寺に行く機会があるんですが、最近は行けば必ず寄ってパンを買っています(だって、行きたくなるんです)。
このお店に行きたくなる理由は「行けば、しあわせを味わえる」と確信しているから。それは前回パンを買ったときの「嬉しい想い出」と「納得の理由」が心にこびりついているからです。それを今回ボクが買ったパンで分析してみますね(あくまでもボクはしげくに屋さんのイチお客さんですので、情報が正しくない場合もあります。ご容赦ください)。
小さなキャッチコピーが、より味わわせる!
「2日間かけてつくる 熟成レトロ チョコレートブレッド」をボクは購入しました。このポップに書かれている「2日間かけてつくる」という小さなキャッチコピーがぐっときます。そんなに大々的に書かれた文字ではありません。いわゆる「販売のためのキャッチコピー」ではないと思います。言ってみれば小さなキャッチコピーです(お店の意図と違っていたらすみません)。
この文字を読んでから食べると、お客さんの意識はどこに向くでしょうか?
「2日間かけるとどうなるんだろう?」と頭の中に疑問が生まれます。疑問が生まれたら解消したくなるのが人間です。それを確かめるために「いつもよりもじっくりと味わう」ことになります。
「どう違うんだろう?」と意識しながら食べると、その香り・食感・味わいに意識が向きます。噛むと外側は「ずっしりと力強い」んです。そして内側の食感がスゴイ!「ねっとり」という言葉が食べ物に適しているかどうかわかりませんが、しっとりを越したねっとり感。こんなパンはあまり食べたことがありません。「2日間かけとこうなるのか!」と納得しちゃいます。
このように「気になるフレーズ」で意識づけをした後に「ハッキリとした違い」を体感するから、実感度がぐんと高まります。この食感とおいしさに納得感が加わるので満足度が上がります。そして断面写真も見てください!チョコレートが均等に入ってるんです。「どうやったらこんなに均等にチョコが入るんだろう」と唸るくらいの均等ぶりでした。すごいっ!
ポイントは「食べる前の意識づけ」と「満足を裏付ける納得情報」
このパンでは「2日間かけてつくる」という小さなキャッチコピーがあったことで「どう違うんだろう?」と意識づけがされました。そして、食べるとハッキリとした違いを感じます。美味しい。その違いの理由が「2日間かけたから」です。このパンでは「食べる前の意識づけ」と「満足を裏付ける納得情報」が同じもの(2日かけてつくる)でしたが、ボクら商人が自店で応用するときは別々でも問題ありません。
たとえば、小さなキャッチコピーを変えてみることもできます(ボクが勝手に考えてるだけですよ)。「このねっとり食感!がハマる人にハマる!」とすれば、食感に意識が向きます。実際に噛んでみたら「ホントだ!ねっとりしてる」と実感します。「断面に驚くお客さまが多数」とすれば、断面に意識が向きます。実際に断面を見たら「ホントだ!」と実感します。
「意識づけ」→「満足実感」→「裏付ける納得情報」
この流れがすごーくキレイにできていました。むちゃくちゃ勉強になりました(おいしく勉強させて頂きました)。
そうそう、先日お店に置いてあったニュースレターもステキでした。
小麦にむちゃくちゃこだわっていることが書かれてて「そこまでやっているんだぁ」「それならおいしいはずだよね」って感じました。そして、パン屋さんが「こんなにもがんばって、おいしいものをつくろうとしている」ことを感じると、さらに好きになっちゃいました(生身の人間を感じたんです。ファンの要素ですね)。
次回高円寺にお伺いした時も、買いに行かせて頂きますっ!
■しげくに屋 さん https://tabelog.com/tokyo/A1319/A131904/13172510/
今回の要点を「評判の呼び方 5STEP」に照らし合わせると【STEP4】商品の魅力をずば抜けて実感してもらうしかけにあたります。特にこのBeforeですね。凄みに意識が向いて味わっちゃう伝え方です。
さらに【STEP】語れるフレーズにも活きています。「手間かけすぎの法則」あたりに当てはまります。
読んで頂きありがとうございました!
2021年、ボクら商売人も張り切って商売していきましょう!
まきやより
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