銭湯の売り上げを上げるには?(昔ながらの銭湯)

もし、この銭湯から「売上を上げたいんです」と相談が来たらどうするかな? そんなことを勝手に考えた記事です。

先日、昔ながらの銭湯に行きました。それはもう味があって素晴らしい体験でした。
全く先進的ではありませんし、お世辞にもキレイとは言えません。番台に座っているおばあさんは耳が遠いようで「サウナ」に入りたいことを伝えても「シャンプー?40円ね」って。蛇口は熱湯と冷水が分かれていて、自分で調節するタイプ。湯舟に浸かると「結構熱いっ!」温度を見ると46℃(もっと低い湯船もあります)、サウナに入ると「結構暑い~」温度を見ると108℃!私がよくいくスーパー銭湯にはない設定でした。お風呂から上がって脱衣所で着替えていると、おじさんが扇風機をつけて「どうぞ!」と進めてくれました。え?常連のお客さんのようです。なんてサービス!その後に戦争の頃のお話もしてくれました。いやー素晴らしい体験。スーパー銭湯に100回行っても味わえない体験を1回でございました。

「やっぱり、人と人の触れ合いがある場っていいなー」と感じて、勝手ながら「この銭湯が売上を上げたいと相談をくれたらどうするか?」を考えました。昔ながらの銭湯さんには参考になる視点があるかもしれません。的外れだったら無視してください。他の業種の方は・・どうだろう?? 地域密着型のお店ならヒントあるかもです


◆売上アップ策の前の条件

  • 今、来てくれているお客さまは大切。居心地を悪くしたくない
  • 急な変化や、先端すぎる機能は良くない
  • 急な来客増もNG(今のお客さまの居心地が悪くなるから)
  • 今来てくれているお客さまの客単価は上げない
  • 今来てくれているお客さまは、基本的には口コミしない(していたらすでに増えてる)

これからの数十年を考えれば、もっと今風に大転換をした方がいいのかもしれません。でも、先日行った銭湯さんはたぶんそんな方針じゃないので(勝手な想像ですけど)。じゃあどうすんねん?ゆるやか~にゆるやか~に増えていくことを狙います。

◆どんなお客さまに、新たに来てもらいたいか(どこで売上を上げるか)

「売上を上げたい=粗利を上げたい」とほぼ同義と捉えると、客単価を上げる方法も考えられますが、今のお客さまのことを考えると無理はしたく無いですね。銭湯は稼働率=売上直結ですから、密にならない程度に稼働率を高めたいところです。

  • 来店頻度を少し上げてもらう方法は考えたいところ(急に増やす必要はない)
  • 何度も通ってもらえる地域のお客さまに来てほしい(「SNS拡散で話題になって遠方から」と言うよりは歩ける範囲の地元の方)
  • 「銭湯って興味あるけど、ちょっと怖い」と思っている方に来てほしい(潜在客って結構いる気がする)

こんな視点でいくつかの策を考えてみました。


◆昔ながらの銭湯の売上を上げる策5

1:サウナパスポートを3カ月500円(仮)で販売。

先日伺った銭湯は入湯料が490円で、サウナに入る場合は別料金で100円でした。常連のお客さまの中には「いつも入る人」「いつも入らない人」「時々入る人」がいると思います。
「いつも入る人」にとってはお得なサービスになります(ここでは若干売上は落ちるかもしれません)。「いつも入らない人」にとっては不要なサービスかもしれませんが、一定の割合で「何度も入れるなら、買ってみようかな」と言う方が現れる可能性があります。
そして「時々入る人」について。おそらくこの方は「いつも入りたいけど、+100円だから迷う」ことがあると思うのです。金額の加算て人を迷わせますから。パスポートを買って頂ければ、迷わずサウナに入れます。そしておそらく来店頻度も高まります(たくさん利用した方がお得ですから)。

2:月に2回ほど「はじめての●●湯DAY」を設ける

銭湯の近くに住んでいて「銭湯って言ってみたいけど、ちょっと怖い・不安」と思っている方向けのイベントを定期開催。店頭に「はじめての方専用 の腕輪」を設置します。それをつけて入ると初めての方向けのサービスが受けられるもの。
値段を安くする必要はありません。「はじめの方向け、超分かりやすいご利用ガイドリーフレット」をお渡ししたり、番台では「分からなかったらなんでも聞いてくださいね」とお伝えする。お帰りの際は「ありがとう(湯の友)カード」をお渡しして、記憶に残るだけじゃなくて「手元にもグッズが残る」ようにします。


初めての方は、不安が大きいので「はじめての人向けイベント」は安心材料になります。お友だちを誘ってきてくれるかもしれません。
こうしたイベントは大々的にやり過ぎてしまうと、今来ているお客さまの居心地が悪くなってしまうかもしれないので、じんわりとじんわりと進めていきたいところ。

3:店内(銭湯)新聞を発行&貼り出し

(これはイメージです)

銭湯の魅力って、味わいにあると思います。歴史を感じたり人と人のふれあいがあったり(もちろん大きなお風呂にもあります)。
店内で起きたエピソード(お客さまとのやり取り)や、銭湯の歴史、近くにあるおすすめのお店情報などを新聞形式にして発行(貼りだし)をすれば、直接的に会話をしなくても、人間味に触れることができます。近くのおすすめ店情報なんていいと思うんですけどね。

4:湯チケット×近くのお店とコラボ

近くのお店(喫茶店や飲食店など)とコラボレーションをして、お互いのチラシなどを置きあいます(よくある手法ですね)。先ほどの銭湯新聞に「湯チケット」をホチキス留めして、相手先のお店に置いてもらいます。興味を持ってくれたお客さんは新聞を手に取ってくれるでしょう。その際に店主さんと「この銭湯って…」って会話が生まれるかもしれませんね。これ、だいじです。
実際の湯チケットは割引クーポンである必要はありません(値引きは極力したく無いです。だって今来て下さっているお客さまに値引きをしていないんだから)。上の「はじめての●●湯DAY」で作った「はじめての方専用分からいやすい利用法ガイド引換券」などで。「安いから行く」よりも「興味はあるけど入りづらかった。でも、これなら安心だから行く」という理由で来てほしいものです。

5:おいしい牛乳を3口分(手間かかるのでやらなくていいかも)

お風呂から上がったら「腰に手をあてて牛乳を」なんて、実際にやっている方は多くないと思いますが、水分は欲しくなるもの。とはいっても「一瓶だとちょっと多いよね」と言う方もいると思うのです。そんな方向けに、コップに牛乳を3口分だけ注いで提供するサービス。この時「ちょっと多めになっちゃった」など言葉のサービスもできますしね。手間がかかるしロスが出る可能性もあるので、やらなくてもいい案ですが。


銭湯ってステキですね。心通わせる場が増えますように^^

今回は勝手に「この銭湯の売上を上げるには?」という視点で考えてみました。参考になる部分はありましたでしょうか?業種が違っても「地域密着型」ならいくつか参考になる部分があればいいなーと願っています。

時代はどんどんデジタル化していきますし、先端の技術が生まれています。便利になることって素晴らしいですが、「便利としあわせ」は「=」ではないと思うんです。やっぱり「心通わせる時間」ってすごく魅力的と思います。デジタル化が進む社会だからこそ、心通わせることもより重要度を増すと思う。地域密着の個人経営店ほど、それができるんじゃないかなぁ(デジタルと心通わせるの共存もだいじ)。

長文をお読み頂きありがとうございました。
人間味あふれて、心通う商売が増えること、願っております。

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